マイルドエピラシオンと電気脱毛の違い
脱毛にレーザーを本格的に導入する以前は、大城クリニックでも電気脱毛を腋臭症に対する治療の一環として行ってきました。両側のワキの下を1回治療するのに約2時間かかり、これを6~7回繰り返すことでほぼ目立たない状態になりました。
同様の腋臭症をマイルドエピラシオンでは、両側のワキの下を一回治療するのに約5分を要し、計2回の治療をすることでかなり満足する状態をえることができました。両者を比較すると、マイルドエピラシオンでは総治療時間が10分の1となり、治療の時間と期間が驚異的に短縮されました。
電気脱毛の場合、絶縁した脱毛針の使用で皮膚表面には損傷を与えることなく治療できるようになりましたが、治療の際には毛穴に沿って脱毛針を入れなければなりません。しかし、毛の方向は一本一本異なっていますし、毛乳頭部の位置も毛周期(成長期、退行期、休止期)により異なりますので、針の先端を毛乳頭部に一致させるにはかなりの熟練を要します。また、毛乳頭部と思われる部分に0.5秒から1秒通電させ、毛をピンセットで引っ張って抵抗があれば、さらに毛乳頭部の位置を探して通電を繰り返さなくてはなりません。したがって不必要な部分に通電して組織に熱損傷を与えることも多くあります。そのため時として軽いやけどを起こし、大事な皮膚を傷つけることもあるようです。
この熱伝導による熱傷は、脱毛後の二次的な色素沈着で毛穴を黒く染め、毛穴の黒ずみとし術後の大きな副作用のひとつとなっています。毛の太さも個々に違っているため、通電時間ばかりでなく出力もそのつど調整しなければならないことが多く、難しい治療になります。
それに比べるとマイルドエピラシオンは、メラニンを含む黒い毛だけを選択的に、広範囲に瞬時に破壊します。照射時間を調節し、皮膚の奥深くまで到達するレーザー光を選び出すことで、黒い毛のみならず、その回りの毛根鞘や毛乳頭部の組織、皮脂腺開口部の幹細胞に適度な損傷を与え、新生毛を細く短いものにできるのです。
実際の治療では、波長755ナノメーターのアレキサンドライトレーザーを用いてレーザー光を皮膚の深部まで送り込みます。照射時間と照射出力を精巧にコントロールできるため、毛の太さ、長さ、色を制御できます。レーザー脱毛では広範囲に濃い毛だけを瞬時に脱毛することができます。
両側ワキ毛の治療の場合の比較
従来の電気脱毛 | レーザー脱毛 | |
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治療時間 | 1回2時間程度 | 1回5分程度 |
治療期間 | 6~10回程度 | 4~6回程度 |
総治療時間 | 12~20時間 | 20~30分程度 |
治療における痛み | 局所麻酔注射 | 冷凍麻酔や塗り麻酔などの使用で痛みは少ない |
脱毛の確実性 | 熟練者でも一度では脱毛しきれない | ほぼ確実に脱毛ができる |
脱毛の特徴 | 1本ずつの脱毛 | 濃い毛だけを広範囲に選択的に瞬時に脱毛できる |
総治療費 | 両ワキ50万円程度(個人差あり) | 1回2万円程度 |
毛穴の黒ずみ等の色素沈着 | 起こす | 全く起こさない |