レーザー治療は、レーザーによって起きる生体(身体)の反応を利用して行っています。例えば、寒い日に太陽の光を浴びると身体は暖かくなります。これは、太陽光によって身体に光熱反応が起きたからです。それが過剰になれば、日焼けが起きます。レーザーも同じなのです。
レーザーアップル
“レーザーアップル”は、大城理事長が、レーザーを生体表面に照射した時の反応を模式化したもので、この概念をもとに新しい治療法が誕生しています。
レーザー光は、照射点から同心円状に周辺部および深部に拡散します。照射点が光の密度が一番高く、照射点からの距離が離れるに従って光の密度は低くなります。
一番外側は「活性化」(activation)、二番目は「融合」(welding 55℃以下)、三番目は「蛋白崩壊」(protein breaking 68℃~)、四番目が「蛋白凝固」(protein coagulation 100℃~)、次が「蒸化」(vaporization 110℃~)最後が「炭化」(carbonization 200~2000℃)です。
「活性化」は、細胞や組織は生きたままの可逆的な反応です。「融合」は、細胞や組織が部分的に生きていますが、不可逆的な反応と言えます。「蛋白崩壊」 「蛋白凝固」「蒸化」「炭化」は細胞や組織が死滅する不可逆な反応です。 (詳しくは 日本医用レーザー研究所の解説をお読みください。)
大城理事長は、これらの生体反応によってレーザー治療を『外科的レーザー治療(HLLT)』『内科的レーザー治療(LLLT)』、両者の中間である『中反応レベルレーザー治療(MLLT)』と3つに分類し、命名しました。この分類は認められ世界的に普及しつつあります。
大城クリニックは、このように世界のレーザー治療に発展的な役割を果たしています。
外科的レーザー治療(HLLT)
『外科的レーザー治療(HLLT)』 は、細胞や組織を破壊する不可逆的反応を利用した強いレーザーによる治療です。破壊する反応ではありますが、組織を選択して行うことが出来ます。例えば、 アザやホクロを取る治療では、レーザーが特定の色にのみ反応するという性質を用いて、アザやホクロの“色素”だけに反応を起こすようにしているので、皮膚には傷がつかないのです。
※紙を焦がさずに、数字(インクが載っている部分)のみを除去
レーザー照射前のカレンダー
レーザー照射後のカレンダー
内科的レーザー治療(LLLT)
『内科的レーザー治療(LLLT)』は、弱いレーザー光の力によって細胞レベルでの新陳代謝の活性化、また組織・臓器レベルでの血行改善や新生血管の増殖、さらに神経レベルでの鎮痛、除痛効果、消炎効果などを利用した治療で、各種痛みの治療や不妊治療を行っています。
下図はレーザー照射による血管の変化を示した標本です。 照射前は血管が収縮しており、細かな血管が見えませんが、レーザーを照射すると血管が拡張し、標本全体に張り巡らされていることが分かります。このようにレーザー照射によって、血液が末梢まで行き渡るようになるのです。
中枢優先治療の効果
当院の治療では、大城理事長の学説に基づいた『中枢優先治療』が効果を上げています。 これは、痛みの治療の際、痛みの出ている部位に『内科的レーザー治療(LLLT)』を行う前に「頭部の血行をよくする」治療を行うというものです。 身体に生じた痛みは、どの部分でも全て、脳の大脳皮質がこれを感知しています。この大脳皮質は、身体の各部位指令を出している“中枢”です。大城は、この中枢部分も治療しなければ、痛みは無くならないと考え、『中枢優先治療』を開発しました。 頭痛、肩こり、四十肩、膝関節痛、椎間板ヘルニア、ギックリ腰、顔面神経麻痺、手足のしびれなど、あらゆる痛みの治療で、その効果が実証されています。
レーザー照射前の血管 標本
レーザー照射後の血管 標本
安全なレーザー治療のために
『外科的レーザー治療(HLLT)』や『内科的レーザー治療(LLLT)』など治療の目的に応じた生体反応を得るために、当院では様々なレーザー治療機器を使っています。レーザー治療機器は、それぞれ波長や出力、波形などに違いがあります。これを効果的に活用するには、治療経験や様々な生体反応に関わる研究が必須です。
アザを例に考えれば、人体にはケロイド体質や色素沈着の起きやすい体質など必ず個人差があります。また、同じ人の場合でも、手や足など部位が異なれば、 アザの深さや濃さが違ってきます。従って、治療に際しては、患者さまの個人差、部位別にあわせていろいろな波長のレーザーから最適の機器を選び出し、出 力、照射時間、照射面積を調節しなければなりません。これらを的確に行って、始めて、皮膚を傷つけないで色だけをとる治療が可能になるのです。
大城クリニックでは、1975年から約7万5千症例を治療した経験と知識と技術の集積をもとに、患者さまに最も適した治療法を選び出して、良い結果を得 られるよう日々研鑽を積んでおります。