マンスリートピックス

大城クリニックでは、患者さまに役立つ情報を提供するために マンスリートピックスを紹介していきます。

 シワやタルミが気になる方へ -再生医療の応用-

 新型コロナウイルス感染拡大により、日本では新しい生活様式が提唱され、早6ヶ月が経ちました。生活上マスクは必須のアイテムとなり、マスクの長期使用に伴うご相談を多く受けるようになっています。相談内容で多いのはマスクで頬がかぶれた、シワやタルミが目立つようになった、シミが濃くなったというものです。顔の大部分がマスクで覆われていることで、肌が弱くなりかぶれたり、表情に緊張感がなくなりシワやタルミが目立つようになったり、お手入れをおろそかにすることでシミが濃くなったりなど原因はさまざまです。

 今回はシワやタルミについてお話ししましょう。

 シワやタルミは、いわゆる肌の「老化」によって起こります。原因となるのは、「紫外線によるダメージ(光老化)」や「皮膚の乾燥」、「皮膚の菲薄 (ひはく)化」「皮下脂肪織のやせ」「表情筋の筋力低下」など様々ですが、基本的には皮膚そのものが何らかのダメージを受けて自分で再生できなくなることによって生じます。通常、皮膚をはじめとした細胞や細胞は、様々なダメージを受けて老化したとしても、再生力で元通りに治そうとするために、若い頃にはシワやタルミはできにくいのです。しかし、25歳前後を境にして、皮膚の再生力が衰えてきてしまうために、シワやタルミが徐々に出現するようになってきてしまいます。マスクによるシワやタルミは、マスクで顔が隠れているために、顔の筋肉を緊張させなくなるため、いわゆる筋肉のゆるみが生じて出来ていると考えられます。

 シワやタルミの治療には、レーザーや高周波、超音波などによる治療や、ヒアルロン酸やボトックスによる注入治療があります。レーザーや高周波などによる機器による治療は、皮膚や皮下組織の中にエネルギーを入れて、老化によって衰えた細胞や組織に働きかけ再生を促すものです。一方、ヒアルロン酸注入は、人体の皮膚の成分であるヒアルロン酸をシワの溝に入れ込むことによって凹凸を改善し、ボトックス注入は、表情を作るための筋肉の動きを麻痺させることによって凹凸を改善しようというものです。

 最近、シワやタルミに対して、自分の血液中の血小板を利用した「再生医療(自己多血小板血漿)」が注目を集めるようになってきました。血小板には、出血を止め、血栓を形成して傷を閉じる働きがあります。また血小板には、傷んだ組織を再生するための様々な因子を放出して、組織の再構築のための助けをする働きがあることが知られています。その血小板の「傷んだ組織を治す働き」を医療に応用しようというのが、自己多血小板血漿(PRP: Platelet Rich Plasma)です。PRPによる治療は、自分の血液を採取した後に血小板を含んだ血漿成分を分離し、患部に注射するというものです。皮膚の中にPRPを注入することで、血小板中に含まれる様々な因子が表皮や真皮に働きかけ、老化して傷んだ皮膚を再生させようというもので、今までの治療の考え方とは異なります。またPRPによる再生医療は厚生労働省への届け出が必要で、所定の手続きを行い国に治療計画を受理された医療機関でしか治療が行えなくなっています。

 シワやタルミは、個々の顔の形や加齢の程度など多くの原因があり、一人ひとりに応じた治療が必要です。当院では、患者さまの症状に応じて診断を行い、その上で原因に応じて治療機器を使い分け、術後のスキンケアも含めた総合美顔治療を行っています。最近ではレーザー治療とPRPを用いた再生医療を融合させた新しい治療がラインアップに加わっており、目の下のシワや法令線のシワなど、年齢を感じさせるシワや顔全体のタルミなどに応用ができ、より自然な形態の再現が可能になりました。

 再生医療や美容医療のみならず、最先端の治療は日々進化し続けております。われわれも患者さまに多くの情報と確実な医療を提供するため、日々精進しております。