マンスリートピックス

大城クリニックでは、患者さまに役立つ情報を提供するために マンスリートピックスを紹介していきます。

 アザ治療の現場から

今月は、様々な領域におけるレーザー治療が普及するきっかけとなった「アザ治療」のお話をしましょう。

 「アザとは、遺伝的または胎生的要因に基づいて生涯の様々な時期に発現し、きわめて緩慢に発育、かつ色調あるいは形の異常を主体とする限局性の皮膚奇形である。」と、1894年にドイツの皮膚科医Unna(ウンナ)が定義づけたのが、アザのはじまりと言われています。
 「アザ」は、医学英語では「nevus」といい、ラテン語の「naevus=生まれつきもっているもの」が語源です。日本語の「母斑」は、ドイツ語の 「Muttermal」に由来すると言われています。(mutter=母、mal=しるし)このアザに対する治療法は、レーザー治療が始まるまでは、“凍結療法”や“手術療法”しかありませんでした。これらの方法では、治療した跡がはっきりと残ってしまい、治療しても、その後の傷跡に悩まれる方が少なくありませんでした。1975年に日本で初めてレーザー治療の専門病院が開設され、正常組織をできるかぎり温存して手術をせずに治療する方法が行われるようになって、アザ治療は大きく進歩しました。この日本で最初のレーザー治療専門病院が大城クリニックです。レーザー治療機器の開発に伴い、現在では青アザや赤アザ、茶アザ、黒アザなど、各種のアザに対応した有効な治療法が出てきています。

 アザについて受診される患者さんやそのご家族のほとんどの方が、精神的な悩みを抱えていらっしゃいます。アザは、「身体的」或いは「機能的」な問題の無い場合も少なくありません。しかし、“常にアザを他人に見られて生きる”という「精神的」な苦痛を与えてしまう存在です。生まれつきにアザを持った患者さんの場合、親御さんがご自分のせいでなったのではないかとお考えになったり、年頃の患者さんであれば、どのように隠すべきかと悩まれ、ある種の対人恐怖症を患ったり、鬱になったりする方もいらっしゃいます。

 アザには、それをお持ちの方にしかわからない“痛み”があるのです。実際の診療の現場で、我われ医療スタッフは、患部を治療(cure)することだけではなく、患者様の心の治療(care)をどのように行うかということも重要視しています。レーザーによるアザ治療では、症例によっては、結果が出るまでに時間がかかる場合があります。我われ医療スタッフと患者様との間でしっかりとした信頼関係が築かれていなければ、治療は継続できません。

 当院では初診の患者様一人一人に対して十分な診療時間枠をもうけ、患者様との対話を大切にしていく体制を整えております。これからも、cureとcareを大切に診療にのぞんでいきたいと考えております。

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